就活では「障害」をオープンorクローズのどちらを選んでもいい
発達障害の自助グループに参加していると、就職活動の際に特性をオープンにすべきか、クローズドにすべきかという話をよく聞く。
ぼくの結論から言えば、その人次第だ。つまり、どちらを選ぼうと個人の自由ということ。でも人によっては「障害者手帳を持っているから」という理由からオープンにする以外選択肢を持たない人もいる。
そういう人たちは、総じて大変そうだ。なぜなら、採用される可能性のある企業でさえオープンにしたことで面接すら受けさせてもらえない事もあるから。
発達障害に関して、オープンでもクローズでもどちらで就活を行っても大丈夫という根拠を書かせてもらうことにする。
「障害者手帳を持っている」というだけで、黙っていると嘘をついている気になる
本来、障害の有無はオープンにしてもクローズにしても問題ない。これは健常者も同じで、言いたくないことや都合の悪い話は伏せている。
企業もわざわざ都合の悪くなりそうなところをオープンにしてはいない。だからブラック企業なんかでも普通に人が集まってくる。それなのに、ぼくら障がい者手帳の所持者は黙っていると「嘘」を言っているように自ら感じてしまいがち。
ぼくがいい例なのだけど、やはり手帳を所持しているということを就活面接する企業に伝えないと「ウソをついて面接をしている」という気持ちになっていた。
別に「障害者手帳は持っていますか?」と聞かれたら、「持ってますよ」と答える。だが、わざわざ聞かれてもいないのに言う必要もない。だけど、何か後ろ目たい。
こういった気持になりつつ就活した時期もあるため、「オープンかクローズドか」で悩む人の感じていることがわかる。でも、これも今になってみると色々とやりようがあることがわかる。
ぼくもまた、「手帳を持っていたら言わねばいけない」と思い込んでいた人間だった。
「誰」をいちばんにして就活しているかが重要
みんな忘れがちなのだけど、就活は一体誰のためにしているかということだ。そして、障害の有無を伝えるか迷う人は、誰かのために就活をしてしまっていることに気がつくべき。
たとえば、「嘘をついているようで悪い気がする」と思う心理を考える。すると、会社に迷惑が掛からないだろうか・・とか、紹介してくれた求人サービスに申し訳ないといったことが浮かぶ。
これらは、全部が相手企業側に立った見解だとわかるだろうか。社会で生きていくためには、誰もが働かないとお金を得られない。つまり、じぶんがお金を得ることを最優先に考えるべきであるにも関わらず。
なのに、相手の会社が・・紹介してくれた人が・・と言ってしまっては始まらない。社会に出ることは戦争みたいなもので、みな我が我がの精神で動いている。
会社が少しでも自社を良く見せるようとしていることと、求職者はまさに同じと考えていい。就活を成功させるためのルートとして、最短距離を行くならクローズにしておいても悪くは無いということ。
いちばん就職しないといけない本人が、他人を気遣う余裕など持つ必要はない。まずは「採用される」という目標を遂行すべし。
だからこそ、もし不採用になるかもしれないと思うなら、クローズドで行けばいい。
それが無理なら公開して「ありのままのじぶん」の働き方を受け入れてもらう方向に進む。シンプルだけど、意外と難しい問題だ。
そこで、お勧めのオープン作戦を教えておく。
最初からマイナスになることを言わず、後から言う方法もある
ちなみにぼくは、今の職場にはクローズドで入社している。採用されたかったからだ。ただ、少し仕事の負担がキツくなった時に上司に伝えた。かなり勇気が要ったが、ある意味ではぼくも隠していたように感じていたのかもしれない。
ただ、これは正解だったとも思う。最初に伝えてしまうと、ぼくという人間を見てもらう前に不採用にされていたかもしれないからだ。仮の話だけど。
でも、何ごとにも言えることだが、最初からマイナスに捉えられそうなことを伝える必要はない。恋愛などでも、やっぱり最初はカッコつけてしまうもの。
もし仮に、言わないままでいるのが苦しいというなら、ぼくのようにある程度の人間を見てもらってこっそり伝えるのもアリだ。これで訴えられるわけもなく、仮に訴えられたら障害者は一般枠で働いてはいけないと言われるような物。安心していい。
最初から言わないと気が済まないという人は、障害者求人の「アットジーピー」を活用するのもアリ。
ここは、一般的な給料を確保しつつ障害者として働ける案件を扱った求人サービス。もし必要があれば、求人チェックをされると良いだろう。