12社目★リクルート転職サイト初登録からSEへ②~就労期間2年~

12社目・リクルート転職サイトを経由してSE会社に就職(就労期間2年)

SEの面接に受かった事で仕事を始める。給料は手取りにして約18万円。まだ試用期間といえど、過去最高の給料を手にする事になると思うと気持ちは高ぶった。はじめの1ヶ月間は試験的に社内での仕事のやり方などを覚えていく。

 

先輩からの指導を受けながら僕も少しずつやれる事を増やしていった。1フロアに30人くらいのSEがいて、個々で黙々と作業している風景が日常的。どうも転職で入ってきた人が多いのか、中途採用の人は多かった。

 

SEは常にパソコンと向き合うので不要なコミュニケーションが無いというか、これまでの仕事ではありえなかったほど殺伐とした風景がここにあった。

 

お昼時になると、これまた好きなように昼食に出て行くのだけど、お弁当を持ってきていたりコンビニで買ったカップめんをすすっている人もいる。他者との交流が少ない分だけ「気楽だな」と思いながら仕事を覚える日々が続いた

 

SE仕事の内容と、スキルと引き継ぎ

 

もちろん、いつまでもこのフロアでパソコンを触っていればいいという仕事では無い。ある程度の仕事を覚えたら、他の会社へ出向しデータベースなど作業メンテナンスを代行で行う。A社があれば、A社に向かって担当を受け持つという形だ。

 

どこの企業もパソコンのスペシャリストがいるわけではない。表向きに必要なパソコン作業はできるけど、SQLを使ったサーバー情報のバックアップや、データベースの管理は委託という企業も多いのだ。

 

企業によっては、データベースの設計などを途中までやっておいて、わからなくなったから力を貸して欲しいという会社もある。

 

僕の入社した会社から、個々のスキルにあった場所に派遣するという流れができていた。それなりに1社で仕事ができると、次は別の会社の作業も引き受けられるようになる・・という仕組みでどんどん仕事が早い人ほど評価される

 

僕のスキルはSQL,MySQLが中心。javaやC言語は少し使える程度なので勉強しながら仕事を覚えると言う感じだ。先輩についていって、ある程度の引き継ぎができたら僕個人での企業訪問になっていく。

 

仕事よりもコミュニケーションか

 

気楽と言えば気楽な仕事だと思う。僕の場合は、他者に出向いてデスクを借りて作業をするのだけど、外部の人間でもあるので専門化が1人だけゲストで招かれているような感覚。

 

僕の為に用意されたであろうSE専用の部屋は1人部屋で、ひたすらパソコンに向き合って作業ができるように作られている。個人経営している病院なんかも回るのだけど、普通に医療関係者と同じ場所で仕事をするなんて風景はない。

 

そこで、病院の部屋1室を貸し切りでパソコン作業させてもらうなんて言う事も日常的にある。マイペースで進めて、作業が早く終われば早く帰れるが、遅くなれば自動的に残業が決まる。僕は1人だと焦らないので、ここは無難に作業できる場面だった

 

ただ、コミュニケーションの面でのストレスはそれなりに溜まる。一定期間は同じところで仕事ができるが、ずっと同じ場所で働く訳ではない。普段から色んな会社を渡り歩くので、当然だが苦手な人たちの多い会社にもぶち当たる。

 

「ツライな」と思うのは、パソコンに全く知識の無い人たちに絡まれながら解説をしないといけない時だ。パソコン用語も理解してもらえないので、かなり僕の中で初心者向けに噛み砕いて解説しないといけない。

 

SEに仕事を丸投げしてくれている企業にはこういうトラブルはないのだけど、ワンマン社長の経営でのし上がった企業などは面倒。

 

「SEのやっている仕事をいつか自分たちの手でやる」と心に決めているのか、プログラミングやデータベース管理の技術を教えて欲しいという人たちも出てくる。

 

確かに毎月SEに支払う顧問料は安くはない。それなら自分たちでやってやろうと思う人も出てきてもおかしくない。

 

ただ、それが簡単な話ではないから専門家がいるという状況が理解されない。僕もある程度は教えられるけど、「仕事もして終わった後に教えて・・」という契約はしていないので、自分の仕事が終わるとさっさと帰っている。

 

「少しくらい教えてくれてもー」などと言われるが、1つの会社でそれを始めると他所もしないといけなくなるので、すっぱり断っている。「ケチですか!?」と冗談半分で言われる事もあったりと、それはそれで何かとストレスだ

 

正社員になるもブラック企業

 

入社して3ヵ月で正社員に昇格はさせてもらった。ただ、思っていたより仕事がハードな事は否めない。とにかく立ち上がったばかりのSE会社という事もあって、上司が他社から引受ける仕事量がハンパじゃなかった。

 

入社した1年目で僕は6社くらい担当したのだけど、これだけ色んな場所に行きSEとして働くとそれなりに仕事量も増える。社内ではいちばん仕事量が少ないと言われたけど、それでも未経験からという事を考えると僕は頑張っていると思う。

 

きついのは詰め込みスケジュールだ。A社に10時に出向いて、B社に13時に行く。そしてC社は16時で、最後のD社は18時といった感覚で移動時間も込みでかなり忙しい日もあった。

 

いくら10時から始まると言っても、本社に出社して書類をもらったり、1日の流れをまとめていたりすると8時くらいに出勤している事もあるのだ。帰りは21時を過ぎていたりするので、「疲れたな・・」と銭湯によって身体を休めないと乗り切れない。

 

派遣会社から派遣されていた時はホワイトカラーだったのに、派遣と切れて直接雇用になると徐々にブラックになって行く。当然、残業代は派遣会社経由で支払われるので、派遣が仲介している間はブラック感も出なかったという事だろう。

 

しかし、僕はこの仕事が嫌いでは無かったし、趣味のスキルが上がる事もあって全力で取り組んでいた。また、合間合間でパソコンを使って休憩するネットサーフィンが許可されていたのも大きい。休憩時間のニコニコ動画は癒しのサイトだ。

 

飲み会が面倒だし、無礼講が通用しない

 

飲み会なども多い会社だった。2~3ヵ月に1度は「参加したい人だけ飲み会」というのが開催されていたのだけど、名前の通り参加したい人だけの飲み会があった。

 

社員年齢の平均が30~40代で成り立っていた事もあって、「最近の若者は飲み会が嫌い」という事情を汲み取った配慮のある飲み会だった。

 

基本的に8割くらいの社員は参加しており、残り2割は参加しない。家庭があったり派遣先とトラブルがあるなど、それらしい理由を持っている人たちだった。僕はもちろん参加したくない人なんだけど、家庭も仕事の延長も少ないので毎回参加していた。

 

一回の飲み会で4000円くらい取られるので、正直なところ「給料から天引きじゃないか」という不満もあった。ただ、正社員としてなるべく長く勤めたいのでコミュニケーションにも力を注いでいた。無言で飲んでいる社員という感じだ。

 

派遣社員の頃は、飲み会も呼ばれなかったが長期的に付き合いをするなら、こういう場への参加も必要なのだろう。ブラック企業っぽいので、無礼講で上司に「休日出勤は労働基準法違反ですよ~w」と言ったら睨まれた。

 

どうやら僕の空気の読めないところは、こういうギャグのセンスにも出てしまうのだろう。悪気はないので、他の同僚からは「ナイスつっこみ!」と褒められたりもした。ブラック企業ほどタブーがあるのかもしれない

 

精神的に「苦しい」と思う・・

 

しかし、長く続けるという夢は途絶えてしまう。1年半くらいを越えた頃、仕事の量もかなり増えていて退社時間も22時を過ぎている事が当たり前になっていた。さすがに趣味が仕事になっているとはいえ、体力的な限界が続く事もあった

 

派遣先の企業の人とのコミュニケーションや、次々と変わりゆく職場のペースに順応しづらくなっていく。だんだん1週間限定で派遣されるといった使い捨てSEのような役割も増えていた。

 

A社にいるのかB社にいるのかわからず混乱したり、C社の作業手順やルールをD社に持ち込んでいたりとミスが続く。そうなると、派遣先で「前回のSEさんはもっと要領が良かったんだけどな~」と嫌味を言われるようにもなっていく

 

得意な事を仕事にしているが、さすがにワンポイントで切り変わる単発派遣SEの仕事となるとやっている事が僕自身でも分からなくなる事もあった。環境の変化は精神的にもダメージだ。

 

土日の休みも、若手の社員だけ集まって勉強会が開かれていたのも苦しんだ理由の1つ。「少しでも技術を磨いて、出世しよう」という人が多かったが、僕からしてみるとプレッシャーにしかならなかった。

 

うつ病で辞める

 

会社の経営的に、個々に頑張ってもらわないといけないのは分かっていたが、頑張り過ぎてうつ病も再発してしまった。「無気力で出社する時間になっても動けない」など、当日になって仕事を休む日が増える

 

発達障害の人が「環境の変化に弱い」などという話を聞くと、僕も何となくだが理解できるところはある。2~3日休んで、1か月してまた同じように動けず休むというパターンが出来てきて、同僚からも不満の声が出るようになった。

 

なかなか仕事としては面白かったのだけど、僕自身が無数の会社に出向くのは無理があった。ハイペース過ぎてそれらが変わる事に対応できず辞めてしまう事になる。2年という期間だが、僕に取ってはそれなりに正社員っぽい働きぶりだった

 

結局この会社はその後に潰れてしまう。かなり無理なスケジュールやシフトを組んでいたようで、一斉に会社を辞める人が出たり、上手く回らなくなったと先輩からメールで知らされて分かった事だ。

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