8社目:人生初の派遣会社に行く ~派遣会社から工場面接~

8社目・人生初の派遣会社に登録~工場勤務①(就労期間2年)

介護を辞めた時点で、「もうハロワの職員さんに合わせる顔がない」と落ち込んでいた。さらにハロワの場合は、履歴書作成の際に”真実を書かされる”という流れがある事に対しても納得がいかない。

 

どちらにせよ落とされる方向しか見えないハロワに見切りをつけ、仕事の探し方そのものを変える事にした。そこで出てきたのが、近所のバス停などどこにでも置かれてあった求人誌である。

 

これまでこの求人雑誌を知りながら頼らなかったのは、失礼ながら「高校生の子たちでも探せるバイト雑誌」としか思っていなかった事だ。雨などで濡れてグショグショになりながらも並んでいる事もあって、勝手な印象を持っていた。

 

しかしここに来て実際に目を通して見ると、様々な仕事が溢れており印象は変わる。

 

目立つのは「まずは派遣登録へお越し下さい」の文字。派遣会社も職種は様々でいくらでも掲載されていた。全国区の派遣会社から地元派遣会社まで幅広いので、こんなに派遣が存在するのかという勢い。

 

「派遣で働く意識」もこれまでは無かったが、ヘルパー2級の職業訓練で出会っていた人の中に、「派遣会社で働いていた」という男性がいたので遠い話とも思えなくなる。

 

派遣会社」の事は知らない部分が多かったが、ひとまず相性の良い”工場勤務”を扱っている会社に登録してみようと決めた。この時に僕はパソナという派遣会社に登録している。

 

派遣会社に人生初登録

 

何もかも初で、正直なところ「派遣会社」という存在が怖かった。ハロワはまだ公的な機関で優しいイメージがあったが、派遣会社は民間企業。僕のような"すぐに仕事を辞めるような人間"を大切にしてくれる気がしなかった。

 

しかし実際に行ってみると不安が消える。登録説明会の予約時間の5分前に行ったのだけど、担当の人が電話中。「まあそんな事もあるよな」と待たせてもらっていると、なぜかお茶が出てきた。

 

仕事を探していて斡旋してもらう感覚で来ているだけに、お客さんみたいな扱いをされると何だか違和感があった。ハロワでお茶は出て来ないし、そもそも「派遣登録会」と聞いていたのに僕だけのために時間を割いてくれている。かなりもてなされているようで戸惑いが隠せなかった。

 

後から人に聞くと、これは普通にありふれる光景で「働き手が活躍しないと派遣会社が儲からない」ので登録者には優しいのが基本との事。ハロワでお茶が出ないのは公的な機関という事もあるだろうがこのギャップには驚いた。

 

様づけで名前を呼ばれるし、本当に僕の立場がわからない。しかし、このお客様として扱われる事に悪い気はしない。派遣は僕みたいな中途半端な生き方の人にも優しいのだ

 

登録申し込み前には、若い女性が説明を担当してくれた。20代中盤くらいの方だろう。笑顔の可愛らしい方で、働く事に億劫になっている僕もやる気が出てくる。日常会話もしたので、うつ気味な僕もご機嫌だ。

 

登録を終えて、「工場勤務を希望している」と話すとさっそく面接への段取りも開始してくれる。内容はベルトコンベア式の流れ作業で簡単とのこと。

 

僕は発達障害の事を話していないので、実際にその”簡単レベル”も心配だったが高時給を狙っていたため何があっても頑張ると腹をくくっていた。

 

そんな僕も雇用形態は”契約社員”からのスタートで、ひとまず社会保障はつけてもらえた。僕の希望である正社員の前にどれくらい派遣で頑張れるだろう。ちょうど2年契約と僕がこれまで働いた事の無い期間なので「挑戦してやる」と意気込んでいた。

 

履歴書の作成まで手伝ってくれる

 

派遣先との面談には、持ってきていた履歴書や職務経歴書で、受けさせてもらおうと思ったが、ここでパソナ社員さんから注意が入った。

 

僕の場合さすがに「空白期間」「仕事をすぐ辞める経歴」「就労期間の短さ」などはチェック対象となると教わる。確かに何度も書類ではねられたので理解ができ、これならもっと早く派遣で探せば良かったと後悔もした。

 

しかしここで社員さんも考えて、少しだけ履歴書の書き方をアドバイスしてくれた。「都合の悪いところや、話したくないところまで全部書かなくて問題ない」と言ってくれた事は大きい。

 

正面からぶつかって真面目にやって落とされてきた僕のこれまでとは何だったのか。社員さんの指導の元、少しずつ僕の履歴書やら職務経歴書やらが添削される。真面目に書きすぎるのも考えものだと勉強させられた。

 

社員さんと完成させた書類を持って、お顔合わせに行く事が決まる。お顔合わせは面接のようなものだ。後日パソナの社員さんが一緒に同行してくれるので少し不安が減った。

 

面接は事前に「こんなこと聞かれますよ」と社員さんに教わっていたのであっさりとクリアできた。面談が上手く行き、晴れて工場勤務の契約社員となれたのだ。仕事が決定すると、あとは職場に通うだけだ。

 

僕にとっての鬼門だった面接は通過しており、発達障害の状態だけが心配。とにかく単調な工場勤務と聞いているので頑張りを見せるところだ。

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