11社目:ドラッグストアへの紹介予定派遣~就労期間2カ月~

11社目★派遣先ドラッグストアでのパワハラ暴言と罵声に泣く~就労期間2カ月~

PC設置の仕事は3週間と短い期間だったので次の仕事を探していた。

 

ヒューマンリソシアからは「続けて仕事をやってみませんか?」と1年契約の工場作業という"僕好みの短期派遣"に誘われていたが、そろそろ年齢的に正社員を目指す事を視野に入れたいと単年契約を断っている。

 

うつ気味になる症状も緩和されており、病院からも「しんどい気持ちの時だけ来院するように」と言われていた。何社も転職した事で、発達障害との向き合い方が分かり始めたからなのかもしれない。少し気分的に落ち着いて転職活動ができるようになった僕がいる。

 

初めて仕事を始めてから12年が過ぎ34歳となった僕は、「発達障害からの失敗」を通し転職の度に強くなっていたのだろう。そんな時に、ドラッグストアの店員募集の求人を見つける。

 

この求人を扱っていたのは、某派遣会社なのだけどここに来て、困った対応をされる事(パワハラ)が待っている。※念のため、派遣会社の名前は伏せておく

 

さっそく面接登録に向かい、ドラッグストアを希望したところすぐさま了承してくれた。経歴を雑に書いていたり、嘘の記述をしていたのもあるが、ここ数年が真面目に働けている事だけに注目してくれて問題もなかった。

 

この頃は過去の経歴よりも「今」を重視されていたと思う。「何度も仕事を辞めていた時期」と、「継続して働く今」を比較してくれる派遣会社や派遣先企業に感謝の心も持てるようになった。

 

某派遣会社からは、「ちょうど派遣先から募集を急いで欲しいと言われていたので助かります」と言われ、あっという間にドラッグストアへの面談が決まる。

 

ドラッグストアを転職先に選んだ理由

 

なぜドラッグストアを選んだかと言うと、まず紹介予定派遣だった事は大きい。紹介予定派遣とは、単に派遣スタッフになるのではなく、正社員に登用する事も考えてくれている制度

 

これまでは期間契約が終了するとお別れの関係だったが、僕は安定できる仕事をしたかったため、正社員に登用される道を探していた。

 

ドラッグストアへは、この時の派遣会社の社員さんと一緒にいったが、特に問題も無く採用へ向かう流れとなる。ひとまず期間はお試しと言う事で3ヵ月。その後、お互いに問題が無ければ正社員という流れで採用も決定すると言われる。

 

仕事の内容も魅力的で、商品の品出しを中心とした作業がメインとなると求人誌に書いていた事に注目していた。ポップと呼ばれる、商品の売り出しの看板を作成したり、「店」そのものを僕はやってみたかったのであまり悩まずに応募していた。

 

しかし、ここからまた地獄の仕事生活に戻る事になる

 

品出しが想像以上に忙しい~発達障害は「同時に見る」が難しい~

 

派遣先のドラッグストアの従業員は、僕を含めて4人が基本シフト。正社員の男性店長は薬剤師免許を持っていて、もう1人の女性従業員も薬剤師だった。

 

「薬剤師の人がバリバリに正社員になっているか?」というとそうでもなくて、薬剤師の免許はあるけど子供や家庭の都合でパートになっている人も多かった。

 

ちょうど常勤として毎日出勤できる正社員が店長しかいなかったため、無資格の僕でも正社員に繋がるチャンスができたようだ。男性は店長と、僕。他はパートの女性が交代でシフトに入る形だ。

 

基本レジは女性が担当して、フロアは男性でも女性でも回れるようになっていた。僕は最初にレジを少しだけ覚えて、店内の品出しに回る。

 

ドラッグストアを選んだ理由でもある品出しがやっとできる事にワクワクした。「バックヤードから商品を持ってきて並べるだけ」という作業なら僕もこなせると思っていたからだ。

 

しかしこれがややこしかった。まずは店内をひとしきり把握して、どこに何の商品があるかまでは基本的に覚えなければいけない。記憶には自信があったし、ドラッグストアにはお菓子をよく買いに行くので、ここに問題はなかった。

 

難しいと思ったのは、商品を的確に色んな場所に並べるという事だ。ある程度の品数が店頭で消え始めてから出さないと、何度もバックヤードから取って来るという二度手間が起こる。そのため、微妙に足りなくなるくらいのタイミングで商品補充をする事が決められていた。

 

一か所だけ気にすればいいのでは無く、店内を全体的に見渡して補充する必要があるため、予想していた品出しより仕事が難しいと感じた。なるべく店内を歩く時に、切れかけの商品をメモして意識するように心がけた。「同時に物事を見る」という事に不安が出てくる。

 

男女平等とは

 

予想外だったのは、男性側の負担が大きかった事だろう。高いところにある物や、重たい物などはなるべく男性が運ぶというルールがあった。女性なので身長も低ければ、力も無い事はわかるが「早く降ろしておいて!」と命令系で言われるとムカっと来る事もある。

 

僕の段取りで商品補充をしようとしているところで、女性店員から「重たくて上に持ち上げられなかったから後でお願いー!」と言われると僕の意識が吹っ飛ぶ。発達障害は伏せているので、同時作業が苦手などという話そのものが通用しない。

 

そうなると、僕の段取りは頭から消えるし、女性スタッフからの指示もわからなくなってしまう。結果的に店長が、「なんで2つの内、両方ともやってないんだ」と怒って僕の元にやってくる。

 

女性から色々と指示が飛んできて、そこをミスして店長に怒られるという図が徐々に出来あがって行くのがわかった。空気が悪くなる事に敏感で、過去にもこういうムードがあったのでトラウマでもあるのだ

 

店長も男性だが、店長としての仕事があるので下っ端の僕に「男性の仕事」はすべて回るシステムと化して行く。

 

パワハラと発達障害の関係

 

それでも工夫して仕事を続け、「正社員を目指さなければ」と頑張った。なるべく僕も主張をして女性から何か命令されても「僕も予定がいっぱいなので、少し待って下さい」と少しずつ言えるようにしていった。

 

何も言わないと、相手も勝手に「この人はやってくれるだろう」と思い込む。ここを、勘違いされないように言えるかどうかは大きいと思う。こういうと、「忙しいならあとでも良いよ」と言ってくれる。

 

また僕はレジにあまり入らないので、「いつもレジに入ってもらってありがとうございます」というようにした。すると女性陣も、「いつも重たい物を運ばせて悪いね」と言ってくれ配慮してくれるようにもなっていた。

 

ただ相変わらず僕の品出しの速度は遅かった。段ボールを開封して、店頭に並べて行く作業はスポーツ感覚。どんどん腕を動かして、商品棚を整頓しながら商品を並べるのはテンポが必要だ

 

僕はスタッフの中でいちばん後に入った新人であり、もともとの仕事が遅いので店長から呼ばれる事もあった。「お前、物事を1つしか見てないのか!何で目が2つあるのか考えろ」と意味不明な事を言われながら、同時作業を要求されるようになる。

 

店内で商品を補充しながら、レジを気にしたりお客さんの邪魔にならないように通路を空ける事が苦手だったので何度も叱られた。次第に、僕のミスが減らない事に対して罵声が飛ぶようになる。

 

「クソ馬鹿!」「ボケか!」「やる気無いなら辞めてくれ!」と言われる毎日。僕はそれでも正社員として頑張って働く為に耐え続けていた。バックヤードで怒られている人がいたら、そこにいるのが僕という日常となっていく。

 

ここまで上手く仕事が続けられ、継続出来てきただけに僕と言う人間が否定されて行くのが辛くなる。勤務を終えて帰る間際に一日の出来事を振り返るのだけど思い出して涙を流す事もあった。

 

派遣会社の対応も・・

 

あまりにも罵声を飛ばされるので、派遣会社にも相談しようと実際に出向いて話を聞いてもらった。これまでパソナ、ヒューマンリソシアと派遣を渡って来たが電話だけでもしっかり聞いてもらってきたので、当然のようにこの某派遣会社にも同じ対応をしてくれると期待した。

 

しかし、色々と罵声を浴びている事を伝えても話を理解してもらえない。この某派遣会社のスタッフは僕の味方でもなければ、派遣先の味方という感じでもなく面倒そうな対応だった。

 

男性社員だったのだけど「それは愛の鞭みたいなもので、どこの企業にでも普通にあります」とか「僕もこの仕事に入る前の会社とかガンガンに言われてましたから」と罵声浴び自慢まで始めた。

 

結局、この某派遣会社やドラッグストアの店長との関係が交わらないので、僕自身が耐えきれなくなって仕事を辞める事になる。たった2カ月だったが、長く続けても正社員は厳しいと感じてしまった。この某派遣会社を2度と使う事はないだろう。

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