2社目:家電量販店パソコンフロア担当~就労期間4カ月~

2社目・家電量販店PCフロア担当~同時進行のタスクがない~(就労期間4カ月)

前職のカフェを辞めてから、2カ月ほどハローワークに通いつめて次の仕事を探した。そこで見つけたのは家電量販店のフロア担当。雇用形態は準社員からだったが、正社員登用有りという表記があったので頑張ってみようと思った。

 

家電屋を選んだ理由は、パソコン販売ならやれると思ったから。僕はパソコン大好き人間で、趣味でプログラムを組んでみたりと知識量にはそれなりの自信があった。

 

最新のパソコンニュースなども好きで商品のチェックも欠かさない。そんな理由から、大学時代はパソオタ(パソコンオタクの略称)とも呼ばれていた・・。

 

しかし、求人票にはパソコン担当社募集とは書かれていなかった。一体どこの部署に配属されるかもわからないが、それでも受けてみようと思った。「パソコン以外なら断ればいいや」と意外と気楽に応募したのを覚えている。

 

面接官にはパソコン知識を前面にアピールした事もあってか、「それではパソコン担当からやってもらいましょうか」と採用が早々に決まる。もちろん前職で色々あった事は内緒にしているので怪しまれる事も無い。

 

面接官がお客さんになりきって商品の説明を求める質問をしてきたが、パソコンのスペック系統の話だったので自信を持って応えたのが響いたようだ。何事も自信満々を装うくらいで調度いいと思う。嘘も方便。採用されるためのテクニックだと割り切ろう

 

分からない事、困っている事は研修期間や見習い期間に聞く方が良い

 

最初に覚えた仕事はレジ業務。フロア担当はレジをやる事は少ないのだけど、休日など"レジが込み合う時のサポートに入れるよう"と最初だけ勉強が必要だった。

 

家電屋はフロアを受け持っている社員でも、急遽別フロアに動くなど状況で全てが変わって来る。お会計は誰でも出来る事が鉄則で、あまり待たせると「もういい」と帰ってしまうお客さんもいるのだとか。

 

そのため「急いでいるから早くレジを通して」と言われたら誰であろうと即座に対応しなければならない。家電屋にレジが多いのはそういう意味もあるのだと先輩から教わった。そこで重要なレジ操作は初期段階で覚える事になる。

 

先輩から「ちょっと覚えが悪い」と言われたが、入社したばかりなので大目に見てもらった。経験則から言える事だが、この見習い期間だけは「わからない」と言っても問題になりにくい。

 

「わからない」とか「困った事」はできれば見習いや研修期間中に相談しておく方が後々が楽だとも思う。後になればなるほど言いにくい思いは、色んな仕事を通して経験してきたので・・。

 

僕はフロア担当なので「売り上げに貢献してくれよ」と先輩社員に励まされ販売の舞台に出て行く。

 

フロア補助から正社員へ

 

フロアに出ると、まずは「販売補助」という形の接客業務だった。1人でパソコンフロアにいるのだけど、商品を見ているお客さんに声を掛けて質問など困った事が無いかを伺う。

 

僕は見た目が大人しいと言われるのと、少し自信なさげな雰囲気があってか極端にお客さんに嫌がられる事も無く話せるようになっていった。

 

あまりガツガツ自信に満ち溢れた人は「売り気配」を強く出してしまう為、「近寄っただけでお客さんも離れてしまう」と先輩談。幸か不幸か、そういう傾向が僕に無かったのはラッキーだ。

 

変な言い方だが、僕みたいな申し訳なさそうな生き方をしている人の方が、弱々しくてお客さんを油断させられる気がする

 

そしてある程度の商品説明をしていると、お客さんから値引き交渉を持ちかけられる。ここで僕の役目は終わり、値引き権限のある正社員にバトンタッチする仕組みだ。準社員や販売補助はノルマこそ無いけれど、自分がアシストする事で売り上げに繋げる事が大事だった。

 

僕の勤めた家電屋はアシストが下手だと、そのまま給料も上がらないという状態なので頑張った。僕はコミュニケーションを取る事が苦手だが、「家電販売スタッフ」という役目を演じきっているつもりでやっていた。

 

どこか自分を役者に見立て、なりきりで働くという感覚の方がプレッシャーが軽くなる

 

そうすることで緊張も和らぎ働きやすくなり、お客さんからは「わかりやすい説明」と褒められる事も増えていった。このように先輩に繋いで売り上げに貢献する事が増えると、そこから正社員にも昇格させてもらえた。

 

3ヵ月の試用期間でそこそこ上手く行ったので、4か月目からは正社員という形で嬉しかった。しかしその嬉しさも一瞬に終わる・・。

 

同時進行のタスクが脳にない

 

待望の正社員。ここから少しずつ頑張って、どんどん給料も上げて行くぞと意気込んだ。これまでの準社員では権限の無かった値引き交渉権利も持てるようになった。

 

しかしここからが問題だった。普通に電卓を持って、値引き交渉に応じれば仕事成立なのだけどお客さんの中にはイレギュラーな人もいる。

 

最初はAの商品について値下げを希望しながら、希望金額まで下がらないと「やっぱりこっちのBを安くしてくれないかな」と急な変更をされたりする。

 

今までA商品について段取りを組んでいたので、僕の脳の思考回路が止まってしまう感覚になる。Bの値下げに適応すればいいのだけど、思ったように切り変わらない。

 

Aの事は無かった事にして、Bの話を先にするという優先順位の話で混乱してしまい結局は他のスタッフを呼ぶなどトラブルが起こるようになっていった。あまりにも他のスタッフを呼ぶと、補助スタッフの頃と仕事が変わらないので何とか自分で値引きを頑張る。

 

しかしAとBといった両方の値引き作業になると、焦りが出てしまい計算ミスも起こす事があった。値引きなど、お金に絡むミスを起こしてしまうと上司にも怒られる。

 

値引き交渉にたくさんのお客さんがやってくる土日などは億劫で仕方が無い。土日はフロアにスタッフが足りなくなるという事も日常茶飯事で、そういう時に僕のミスも出てしまうので正社員はもうやっていけないと思った。

 

僕は直接的なお金の流れに関与できない準社員への格下げを申し出て、「給料を下げて継続して雇って欲しい」と上司に頼む事にした。しかし、「仕事が嫌でそういう事を言っているんじゃないか?甘えるなよ」と理解を得られず、周りのスタッフからも誤解されてしまう始末。

 

「急な変化に適応できない」という悩みを打ち明けても、"ワガママ"のひと言で片づけられてしまう。結局4カ月という短期間でこの家電屋の仕事は辞める事になった。Aの事を考えながら、Bの事も考えるなど同時進行の難しさがこの仕事で骨身に染みた。

 

せっかく正社員になってパソコンを販売できると思った矢先に転落してしまった。わずか4カ月という短期間で再び無職に戻ってしまう。

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