職務経歴書を書けない人の役に立つ~派遣直伝の書き方指南~

職務経歴書を書けない人の役に立つ~派遣会社で指南された書き方講座~

履歴書の書き方はこちらの記事を参考にしてもらうが、職務経歴書はその延長にある書類だと思ってもらえると分かりやすい。やはりここでも履歴書同様に大事になるのが、真面目に真実を書き過ぎないという事。

 

例えば、僕は過去に下記のような「真実の職歴」に対してひとつひとつ真面目に向き合い職務経歴書に記載していた時期がある。

 

1社目★カフェでウェイターのバイト(就労期間7カ月)

2社目★家電量販店PCフロア担当の正社員(就労期間4カ月)
~1年間のニート生活~
3社目★トマト出荷工場でのバイト(就労期間1年4カ月)
4社目★引っ越し業者でバイト(1週間で辞める)
~うつ病・発達障害の認定などで1年半の求職~
5社目★就労支援事業所での仕事(就労期間2か月)
6社目★携帯ショップでの販売員(就労期間1年)
~ヘルパー資格の為に職業訓練、その他ニートで無職期間が半年以上~
7社目★介護施設でのデイサービス職員(就労期間10か月)
8社目★工場での派遣社員(就労期間2年)
9社目★データ入力業務の派遣(就労期間1年)
10社目★PCセットアップ業務の派遣(就労期間3週間)
11社目★ドラッグストアで契約社員(就労期間2カ月)
12社目★システムエンジニアとして正社員(就労期間2年)
13社目★PCコールサポートセンターで正社員として勤務(現在2年目)

 

これは僕の経歴だが、これについて「どのような仕事をしていたか」を真面目に書いたとして、採用する側としては真剣に読みたくなるだろうか?

 

僕が自分でいうのも変だが、もしこれらの経歴全部に解説をつけた職務経歴書が送られてきたら読む時点で面倒になる。そう考えると、真面目にダラダラ書く事だけが誠意とは言えないのではないだろうか。

 

そこで履歴書の作成法でも書いたとおり、不要な所は端折るなど書類を提出する側もされる側も気持ちの良い経歴書に仕上げる必要があるのだ。

 

僕が派遣会社でスタッフさんから言われたのはまさにこの話で「丁寧に書こうという気持ちは伝わるけれど、丁寧過ぎてとても採用できない」と第3者目線で教わった。

 

後から何かあった時にも面接官たちは、「(応募者から)事前に問題になる要素は見つけられなかった」という言い訳が欲しいのもある。

 

このように「丁寧で真面目に書く」のはむしろ不器用な人材を象徴しており、面接なら面接の為の書き方を覚えるべきなのだ。

 

全ての経歴に触れなくても良い~職務経歴書の書き方①~

 

職務経歴書と聞くと、過去の経歴すべてを書かないといけないと思っている人も多い。例えば、僕の場合は履歴書をキレイにまとめても6社くらいは転職している計算になるので書くのが大変だ。

 

しかし職務経歴書は、在籍した会社の数だけ書かねばならないという決まりはない

 

僕を例に出すと、おおよそ3社くらいの経歴について詳しく書くようにしている。残りの3社は省いても良いし、軽く触れる程度の書き方でも構わない。もちろん、大企業に転職するとなると書き方は変わると思う。

 

だがこのサイトは発達障害などが影響して、転職を繰り返している人やフリーター向けに書いてある内容だ。戦う舞台が違う。すなわち書き方も変わって然るべき。

 

言い方が適切ではないが、わき道にそれながら進んできた人は、その分だけ就職経験をコンパクトにまとめて転職成功へ繋げるべきだ

 

「転職回数が多すぎて履歴書も職務経歴書も書くのが大変」という人ほど、よりスリムに見せる技術が必要になる。

 

"端折りはよくない"という人もいるが、ほとんどの経歴は履歴書の時点でわかる。私なら「工場勤務で梱包業務担当」といった内容は履歴書に書いてあるので、改めて職務経歴書で同じ事を書く必要が無いと思っている。また派遣会社でも不利な事は書かなくていいと教わった

 

ではどう書くか。具体的にサンプルを出そう。

 

具体的な書き方~職務経歴書の書き方②~

 

普通に書くなら各社での担当部署や仕事内容、そこでどういった自分の強みが出せたかを書く必要がある。先ほどから言っているが僕なら履歴書でほぼ伝えているのであとは具体的に伝えられる仕事の内容のみに限定してまとめる。

 

まず僕の履歴書が下記になる。

 

1社目★カフェでウェイターのバイト(就労期間1年10カ月)

2社目★トマト出荷工場でのバイト(就労期間4年)
3社目★工場での派遣社員(就労期間2年8カ月)
~体調不良で休養~
4社目★ドラッグストアで契約社員(就労期間1年)
5社目★システムエンジニアとして正社員(就労期間2年)
6社目★PCコールサポートセンターで正社員として勤務(現在2年目)

 

これを職務経歴書では次のように書く。

 

 

★トマト出荷工場(就労期間4年)

 

工場でトマトの出荷を手伝っておりました。工場業務なので1人の流れが止まると、全体に影響を及ぼします。そこでミスを極力なくすようチームワークを大事にし、息を合わせて働く事を重視しました。

 

作業中に別の部署から急な仕事が舞い込み、同時作業をするという部分で失敗が出る事もありました。2つ以上の物事を同時にこなすことが苦手だと言う事が知れたのも私の強みに変わりました。(※弱みを強みに変える書き方)

 

「1つ1つから仕事をこなす重要性」を身にしみて体験できたと思います。

 

★システムエンジニアとして正社員(就労期間2年)

 

企業様の元へ派遣される形で、システムエンジニアとして社内のデータベースを構築、管理しておりました。様々なお客様の元でパソコンを作業するため、時には難しい説明をわかりやすく解説する必要がありました。

 

お客様への説明に関しては、初心者目線をいかに大事にするかという事を学べているため、どんな仕事にも活かせると思っております。

 

★PCコールサポートセンターで正社員として勤務(現在2年目)

 

コールセンターでパソコンの設定サポートを行っておりました。丁寧な口調や言葉遣いを意識して仕事に取り組みました。時には電話でお客様が怒っていて、私が慌ててしまう性格が出てしまいミスする事もありました。

 

(※事前に慌ててミスする性格をそれとなく伝える。発達障害とは伝えなくても良い)

 

しかしとっさな時に、仲間から「落ち着いて」と声を掛けてもらえた事で何度も救われました。御社に入社しても、仲間を常に大事にしてお互いに助け合える関係を築きながら会社に貢献できればと思います。

 

 

このように、どういった仕事をしている時に強みが出ていたかを述べれば良い。マイナスになる事も人生にはあると思うが、そこは無理に書く必要が無い。もし書く時は対策やプラスに向かう書き方を目指す事

 

また「発達障害者」として面接を受けるなど、あらかじめ相手に障害の事実が伝わっているならば、どういう事で困るのかという話を書いておくのは重要なものとなる。

 

聞きたいけど聞きにくいポイントを書いておくとベスト。僕の場合は、同時作業や慌ててミスする事をさらりと書き込んでおいた。これについては③でまとめておく。

 

苦手と強みの書き方~職務経歴書の書き方③~

 

誰もが発達障害をカミングアウトして面接を受けられるわけでもない。しかし、仕事を始めるに当たって上手く仕事ができるか不安な時もある。そういった際には、発達障害である事を伏せて「苦手な事」として伝えておけばいい

 

例えば僕には「2つ以上の物事を、同時進行でやっていると頭で処理できなくてパニックを起こしやすい」という苦手分野がある。「発達障害の特性上で・・」と言えれば楽だが、それが言えない場合には言い方を変えて、書類に記載していた。

 

次のような言い換えを用いると良い。

 

「2つの事を同時に指示されると、上手くどちらにも対応できない事がありますが、1つの事に集中すると成果を上げるタイプです。とにかく1つ1つの仕事を丁寧にこなして仕事を覚えて頑張りたいです」

 

この1文を入れておくだけでも、だいぶ気持ちの面で違いが出る。後になって「実は2つ以上の事は・・」と言いだすのは気が引ける事もあるからだ。それが、この1文を入れておくだけで何かあった時の言い訳にも使える事もある。

 

「仕事では言い訳が許されない」という風潮があるが、事前に伝えておく事で「言っておいたでしょ」という立場にもなれるため言っておいて得な事もあるのだ。

 

発達障害の程度によるが、「障害でミスが多い」というのと「同時作業が苦手でミスが多い」というのでは殆ど差を感じさせないように僕は思う。聞こえの良い伝え方でも、世の中の仕事はなんとかなっている物だと覚えておこう。

 

 

職務経歴書に書くネタがない人は、「強み診断アプリ」を試してコピーするのもアリ!

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