就活本に掲載されない履歴書の書き方~派遣会社で教わった嘘経歴の作成法~
僕は発達障害の影響から仕事に失敗し、うつ病になった事もある。うつ病になると働けずニート状態になる。そのまま時間だけが過ぎて気がつけば空白期間が履歴書作成を阻む。こういう部分がある為か、僕は発達障害者の人はもちろんニートの人などの気持ちもわかる。
僕は定期的にハローワークに通って、バイトや派遣で転職し仕事を繋いで来たので一見するとずっと働いているようにも見える。しかし実際は、次の仕事が見つかるまでの間で空白ができ「履歴書や職務経歴書が書けない」という悩みを常に抱えていた。
こうなると履歴書の書き方マニュアルを参考にしても役に立たない。これらの事から発達障害者である僕はもちろん、フリーターやニートなどの人に参考にしやすい履歴書の書き方があればと思うようになった。
そこで今回まとめたのが「履歴書の書き方」である。これは派遣会社を渡り歩いた際に、派遣スタッフさんから教わった内容だ。
これから話すのは、ハローワークでは教えてくれなかった履歴書に対する「嘘の使い方」「話を盛る方法」「偽装の仕方」といったテクニックになる。くれぐれも取り扱いにはご注意を。
真実を書いても転職はできない~履歴書の書き方テクニック①~
発達障害の状態にある人は、特に転職が多いように思う。僕の通う大人の発達障害者向けの自助グループなどは、転職経験の無い人の方が圧倒的に少ない。僕を含め転職回数が多すぎる人は、正直に書く事が怖いという気持ちも抱えて就活せねばならない。
これだと発達障害を伝えるよりも、転職の回数だけで差別的な目で見られる事もあるため「書かない選択」も時には取る必要がある。
試しに、今の僕の経歴を真実のみで書いてみた。これを見てどれくらいの企業が「採用してみよう」と思うのか一緒に考えてみると明らかだ。
1社目★カフェでウェイターのバイト(就労期間7カ月)2社目★家電量販店PCフロア担当の正社員(就労期間4カ月)
~1年間のニート生活~
3社目★トマト出荷工場でのバイト(就労期間1年4カ月)
4社目★引っ越し業者でバイト(1週間で辞める)
~うつ病・発達障害の認定などで1年半の求職~
5社目★就労支援事業所での仕事(就労期間2か月)
6社目★携帯ショップでの販売員(就労期間1年)
~ヘルパー資格の為に職業訓練、その他ニートで無職期間が半年以上~
7社目★介護施設でのデイサービス職員(就労期間10か月)
8社目★工場での派遣社員(就労期間2年)
9社目★データ入力業務の派遣(就労期間1年)
10社目★PCセットアップ業務の派遣(就労期間3週間)
11社目★ドラッグストアで契約社員(就労期間2カ月)
12社目★システムエンジニアとして正社員(就労期間2年)
13社目★PCコールサポートセンターで正社員として勤務(現在2年目)
どうだろうか?
この履歴書が手元にきた面接官からは、おそらく「雇いたくない」という思われるケースが大半だろう。しかしハローワークで相談しても「正直に書く事」と言われるだけで埒があかない。ハロワは”公的機関が仕事を募集し斡旋している”ので真実を書くように勧められるのだ。
そういう時には、黙って「不必要な所は書かない」という選択を取る方が賢いと言える。そして、ブランク期間や空白期間など足らないところは意図的に「盛る」ことでフォローできる。実際に僕が、どのように転職する際に履歴書を出していたかを"参考例"でお見せしよう。
嘘は嘘でも”ばれない嘘”を盛れ~履歴書の書き方テクニック②~
派遣会社に登録してお世話になった際に僕は衝撃を受けた。それが履歴書の書き方で、ハロワと違い要領を得た書き方を指南してくれる。先ほど出した僕の履歴書を、派遣会社で教わった通りに訂正してみよう。どこを訂正したのか注目して見て欲しい。
ヒントは次の3つの嘘を盛りこんでいる事に注目だ。
①あえて軽くマイナス要素になる箇所を仕込んでおく
②本当に働いていた仕事は”盛れるところまで盛る”
③すぐに辞めた仕事は、"書かない事"で無かった事にする
1社目★カフェでウェイターのバイト(就労期間1年10カ月)※就労期間を微妙に盛る
2社目★トマト出荷工場でのバイト(就労期間4年)
※就労期間を盛る
3社目★工場での派遣社員(就労期間2年8カ月)
~体調不良で休養~
※ストレートに生きてきた人生で無く、挫折を経験している事をアピール
4社目★ドラッグストアで契約社員(就労期間1年)
※復帰して働いた契約社員アピール
5社目★システムエンジニアとして正社員(就労期間2年)
※ここ数年は安定して働いているとアピール
6社目★PCコールサポートセンターで正社員として勤務(現在2年目)
こう見てみると、最初に出した僕の本当の履歴書とは別物になっている事がおわかりだろうか。
実はこれこそ、僕が転職に成功している秘訣。何社も落ち続けていた僕が、派遣会社でこの書き方を教わってからは流れが変わった。何もかも丁寧に書いていた自分が少し馬鹿らしく思える。
「嘘はいけない」という人がいるが、実際のところ履歴書に真実ばかり書いていたら、本当に僕のように就職できない人がたくさん社会に溢れる。しかしそこは要領よく一般の人はやっている。履歴書にはどんな人も良く見せようという嘘が含まれやすいものだ。
履歴書や職務経歴書の場合なら、少々の嘘なら問題ない。問題なのは、仕事に明らかに影響が出るような偽装、偽造だ。ニュースなどでもあるが、医師が医師免許を持っていなかったというのは立派な罪だ。
しかし、自分の転職経歴やニート期間などは削除したところで、仕事そのものには影響がないというのは言うまでも無い。
これを教えてくれた派遣会社の社員さんも、「運転免許がないのに運転免許がある」などの書き方はダメであると言っていた。働く意思や意欲を、履歴書から読みとれるようにする事も転職に必要なスキルだ。
働きたいからこそ「この人は働く気があるな」と見せる為の嘘をついて何が悪いのだろうか。そういう話である。
転職し過ぎた人は、「過去の就職数÷2」を目途にする~履歴書の書き方テクニック③~
履歴書という書類上、こちらで事前に都合よく経歴が作れるのはありがたい。都合の悪い事、隠したい事は誰にでもあるだろうが、それならば「問題の事実÷2」にしてしまうと解決しやすい。先ほどの履歴書に戻ろう。
1社目★カフェでウェイターのバイト(就労期間1年10カ月)2社目★トマト出荷工場でのバイト(就労期間4年)
3社目★工場での派遣社員(就労期間2年8カ月)
~体調不良で休養~
4社目★ドラッグストアで契約社員(就労期間1年)
5社目★システムエンジニアとして正社員(就労期間2年)
6社目★PCコールサポートセンターで正社員として勤務(現在2年目)
例えば、僕が過去に働いた職場の半分くらいでちょうどいい経歴が完成する。バイトや派遣、転職が多くて履歴書を書く事が億劫な人は、半分だけに絞るつもりで書くと気持ちも凄く楽になる。
「何が何でも半分は削る」と決めると「確かに不要な職歴があるな」と気が付けるのもメリットだ。逆にどこか足らなければ、少しだけ足すなど応用が効くので自分の働き方にあわせて変更されるといいだろう。
3つのポイントにまとめておこう。
ポイント①
職歴が短い人は、適当に就労年数を割り振って、在籍期間を延長させる。仕事はすぐ辞めるより、長くやった方が良いという日本の風習に合わせる。
特に今の時代は派遣会社などで働く事も当たり前の時代なので、細かく就労時期を書くのも難しい時代。○年○ヵ月と細かく記載すれば、それほど突っ込まれる事はない。
ポイント②
「体調不良で長期療養していた」など休んだ事実を入れる。療養以外でも構わないが、ずっと転々としながら仕事を続けられない人は、マイナスイメージを覚悟で休養した時期を伝えてみよう。
そこから今は復帰し「これからは頑張れる」という事をポジティブに伝える事が重要。
ポイント③
派遣会社での勤務など、場合によっては「任期満了につき終了」といった書き方も可能。”期間限定”で働いていた事を伝えると、辞めた理由もキレイに見える。
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