4社目★引っ越し業者でアルバイト~体力不足で1週間で退社~

4社目・引っ越し業者でのバイト~人生最速の3日で仕事を辞める~

工場をリストラされたので気分は落ち込んだが、就職して"初めて自分から辞めていない"という事実は大きかった。「クビにさえならなければ、今も仕事が続いていた」と妙な自信がついている。

 

ちょうどこの頃は、レトロゲームにハマっていて初期ファミコンのソフトを買い漁りしていた為、お金が必要で働く動機にも繋がっていた。

 

ハローワーク職員さんからは「前回は残念だったけど、次こそは頑張りましょう」と温かい声も掛けてもらえた。リストラされながらも、自分なりに上手く行った感覚しかないので同じく工場就職を希望して求人検索をする事になる。

 

ハローワークの職員さんと折り合わない

 

工場業務は正社員の募集が多くあったので、今度は正社員として工場勤務を考え応募しようと思った。しかし、正社員応募してみた途端に採用されなくなる。

 

書類審査もハローワークで通るように見てもらうけど、あまりにも正直に書かされているような気がするし、その結果も落とされてばかり。

 

僕が受けられるような工場での正社員業務を8社くらい応募したのだけど、最終的に面接に辿りつけたのは1社だった。履歴書や職務経歴書を見ただけで見捨てられているような気がしてならない。

 

しかしこの事をハローワークの職員さんに伝えると、「企業さんも時間を割いて面接してくれるのだから、騙すような書き方はしてはいけない」と言われる。

 

僕の履歴書をありのまま真実で書くと、「2回もすぐに仕事を辞めている」&「ニート経験が1年」&「リストラされたばかりの人」という目も当てられない状況になるのに・・。

 

「少しは受かりやすくなるよう訂正したほうが良いですよね?」と訴える僕の履歴書への意見と、ハロワ職員さんとの意見に食い違いもあった。しかし、受からない現実はある。面接すら受けられない応募を続けても仕方が無かった。

 

そこで正社員は一旦諦めて、またバイトを探す方向にシフトした。

 

引っ越し屋に就職~1度でも高時給を体験すると下げられない気持ちに~

 

工場勤務のバイトならいくらでも出てくるのだけど、募集している会社はどこを見ても時給が800円くらいと前回よりずっと下がる場所ばかり。高いと850円くらいだったが、「勤務地がかなり遠くになる」とか「短時間バイト」しかない。

 

前回970円の高時給を経験した影響か、時給が下がる事を想像すると働く意欲が失せそうで仕方が無かった。職員さんに「1つの事しかできないとなると職種は限られます」と言われながらも、その中でも出来るだけ給料が高いところを選びたかった。

 

すると提案されたのは、時給1200円の引っ越し業者のアルバイト。

 

過去に失敗してきた仕事は「あっちもこっちも」という2つ同時作業を求められる内容ばかりだったので大丈夫なのか聞いてみた。

 

するとハロワ職員さんが、「引っ越し業はとにかく1つ1つ、物を丁寧に扱える性格が重要」と語り出した。実際にハローワークにも「丁寧で几帳面な性格の人」を重視して採用するという知らせが引っ越し業者の偉い人から入ってくるそうだ。

 

「丁寧や几帳面さ」を求められる部分には、苦手意識を持っていないのでやれるような気がしてくる。時給もいいので、とりあえず受けるだけ受けてみた。

 

引っ越し業者の面接に行っても同時作業が苦手な事は言わず、「丁寧な仕事に自信があります」とこれまた演技を入れて真面目さをアピールした。結果的に採用はすぐだった。人手不足もあったのだろう。

 

バイトの始まり~ルーズな家庭との遭遇~

 

蓋を開けてみれば初日から最悪だった。朝の10時から引っ越しを予定していた家庭に、僕を含めた従業員5人で向かう。すると「まだ引っ越しのための一部の段ボールが作れていない」というルーズな人たちが待っていた

 

この家庭の人から「引っ越しは11時に来ると勘違いしていた」と言い訳されるが、仮にそうだとしても準備ができていないのはヤバイだろう・・と思ったが文句は言えない。

 

このため約1時間ほど作業時間のズレが起こってしまう。延長料金など別途のお金は請求できるみたいだが、僕たちはこの日は次の引っ越しも予定されていたので大慌てで作業する事になる。

 

初日なので、ある程度は上司や先輩が段取りを教えてくれる予定があったのに狂ってしまった。ガタイの良い上司からは「新入り君はソレ運んでくれ~」と小さな段ボール箱などを運べという指示が出た。

 

先輩スタッフは大きな家具系を2階から慎重に降ろす重労働をしていたので、僕は軽作業を任されると言う状態。本当は、家具系の運ぶコツを教わるはずが簡単な事から始められてラッキーだと思った。

 

初日からADHDの本領発揮・ミス連発

 

「荷物が多いので、とにかくさっさと運ばないと」と思い一生懸命に運んだ。しかし慎重に段ボールを運んだはいいが、置く場所を間違えると言うミスをおかしてしまう。僕は、割れモノ注意と書かれた物と、衣類などの箱をごちゃまぜに置いていたのだ。

 

結果的に、どんどん後ろから詰み込まれてくる箱に圧迫を受けた「割れモノ注意箱」にダメージが入り、引っ越し先で潰れて割れている事がわかった。僕の段ボールの詰み方が悪く、お皿などが割れる事になったので謝罪しまくる。お詫びはどうなったのか覚えていない。

 

上司からは「1時間も遅れる急ぎの仕事やったから仕方が無い。運ぶ場所を教えてやれなくて悪かった」と優しく言われて、気分は少し楽になった。

 

この家庭の作業を済ませて、次は昼からの引っ越し先での仕事。次の引っ越し先では、家具も多く僕も運ぶためのコツを教わりながら一緒に外に運び出す。引っ越し業は「天井にぶつけるな」とか「足元を意識しておけ」と先輩たちから声を掛けてもらえるのでやりやすい。

 

この声掛けという、”作業員同士での確認”は僕に取ってはありがたかった。1人だけだと注意力が散漫になり、どこかぶつけそうだが「気をつけろ」と注意するポイントを伝えられるのでみんなが気を引き締める。

 

しかしここでもまたミスをしてしまう。てっきり先輩が声を出している司令塔だと思い込んでいて、自分側の注意ポイントで声を出す事をうっかり忘れていた。

 

結果的に、先輩が僕の方は安全と思いこんで運んでいて、別の家具がある事に気がつかずにぶつけるというミスに繋がる。ここでも謝罪する事になったが、幸いにもお客さんが「それくらい大丈夫」と言ってくれたので問題にはならなかった。

 

この件については、引っ越しの移動トラックの中で少し怒られる。「普通に考えたら自分も声を出すもんやぞ?」と。自分の注意力散漫さもあるのだから、声出しをしていこうと反省した。こういった経験はADHDの人に多いらしい。

 

3日で仕事を辞める~発達障害でも体力仕事に自信があれば続けられそう~

 

今思えば楽だったのは初日だけだった。2日目からは、エレベーターでは物を運べない高層マンションなどバリバリの体力労働。住民に迷惑にならないよう従業員はなるべく階段などで往復するのだけど、体育会系の人たちばかりで「はい、ダッシュー」が挨拶代わりに飛び交う。

 

そもそも「エレベーターに乗らない家具が世の中にこんなにあるのか」というのはこの仕事をしていないと一生気がつかなかった。もちろん分解できるものはあるが、階段を使って部屋に入れている家具もそれなりにあると知る。

 

僕も階段での往復を繰り返すが、息切れするほど頑張ると注意力が散漫になる。引っ越し業の厳しいところは、運ぶ時よりも高層マンションなど高い場所の往復にあるように思えた

 

家具を運ぶ時は大勢で抱えたり、重たい物を持ちやすくするコツを教えてくれるので、身体への負担はある程度避けられる。(もちろん筋肉痛などは起こるけど・・)

 

しかし、それよりもトラックの入れない家とトラックまでの距離を往復するなど走る事が多い時はバテるばかり。「体力がないなー」「若いのにどうしたー」と言われるまま働くが、学生時代から運動などしていなかったので限界を感じた。

 

結果的に引っ越し業者での出勤は、最初の1週間(休みを挟んで実質3日)の勤務で終わった。上司からは「"体力が持たない"と辞める人は多いけど1週間は早いわ。本当に20代前半か?」と嫌味を言われながら去る事になった。

 

また自分から辞めてしまった。「引っ越し業者は家にトラックを横付けして、荷物を運んで終わり」というイメージだった自分の浅はかさを反省するばかりだ。

 

ただ僕の体験上、発達障害でも体力に自信のある人には引っ越し業務がおすすめできる。注意する事はある程度マニュアル化されており、後は従業員の人同士で声を掛け合う。給料も高いのは魅力だ。

 

注意力散漫な僕も、チームで助け合うとそこそこやれる気はした。割れモノなど、最低限の注意書きも忘れずにみるように箱を運べば問題ない。後にも先にも1週間で辞めたのは、この仕事だけになるが体力的にはキツイ内容だった。

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